vol.39 紬の着物その2

きものが出来るまでシリーズ

~紬のきもの~

紬の着物と言えば、おしゃれ物のイメージですが、フォーマルな着物とどこがどう違うのか、どのようにして紬の着物が出来上がるのか?を今回は特集してみました。

 

 

紬(つむぎ)とは

大前提としては、紬糸で織られた絹織物。

木綿を素材とするものもある。 紬の生地を縫製した着物を指す場合もある。長い日本の歴史の中で常に衣服の中心であった。そのため紬は全国に産地がありそれぞれに特徴ある紬の着物が生まれました。

 

紬糸(つむぎいと)ができるまで

絹糸は繭(まゆ)の繊維を引き出して作られるが、生糸(きいと)を引き出せない品質の低い繭や、精錬した後の繭を手で広げて真綿(まわた)を作ります。こうしてできた真綿から紬糸を作ります。その方法として、指先で糸を引き出す手紬糸(てつむぎいと)と、真綿から手紡機(てぼうき)を使って撚り(より)をかけ、糸にする方法の二通りがあります。今では、手紬糸はわずかに結城紬に用いられるくらいで、大半は手紡機を使います。手紬糸は節が多いので、主に緯糸として用いらています。

 

紬糸から生地へ

これらの糸を平織り(ひらおり)した布が紬の生地となります。紬糸は緯線(よこ)・経線(たて)の両方に使用する場合と、片方に使用する場合があります。 繭から作る絹糸を用いた布の表面が絹独特の光沢を帯びるのに対し、紬は鈍い光沢を放ち表面に小さなこぶが生じ、独特の風合いを持ちます。各産地により織り方、染めた方があり、主に先染めした着物が多い、牛首紬や大島紬などはその生地質が良質で後染め用に白生地として織られるものもあります。

 

紬の歴史

紬の歴史は古く、古代織物の「絁(あしぎぬ)」がその起源とされています。「絁」はふとぎぬとも呼ばれ、糸は太くて節のある粗野な織物で、この絁の織法がやがて紬へと受け継がれました。当初は無地が多く次第に縞や絣、格子、絵絣などが織られるようになり、各地で独特の紬が生まれました。耐久性に優れ、古くから日常の衣料や野良着として使用、父から子へと数代に渡って着繋がれました。江戸期に贅沢禁止令が出され高価な絹物を着ることが禁止されました。 しかし町人たちは絹を着ることを諦めずに「遠目からは木綿に見える」ということで工夫され、絹であるのに木綿と言い張り、好んで着るようになりました。

 

全国の紬

日本三大紬と言えば、鹿児島・奄美大島の大島紬、茨城県・結城の結城紬、石川県・白峰村の牛首紬が最も有名で、それぞれに特徴があり、歴史と伝統の中でその地域に根ざし脈々と受け継がれ確固たる地位を築き上げてきました。結城紬に関しては世界遺産にも登録されその希少性は世界的に認められています。その他に先の説明にもありましたが言うならば紬は庶民の着物、それぞれの地域に根ざした普段の着物作りとして作られて来ました。その一部をご紹介します。

 

久米島紬

久米島(沖縄県島尻郡久米島町)で織られる紬のこと。その製作技術は国の重要無形文化財に指定されています。日本の絣の着物の原型と言われています。

 

球絣紬

琉球王朝から伝わった絣柄は、約六百種類あると言われ、多彩な図柄が特徴。絣柄を丹念に織っていくため1日に2メートルぐらいしか織れない稀少な織物です。

 

塩沢紬

新潟県南魚沼市周辺で織られている絹織物で、独特のシャリ感が人気です。

 

米沢紬

山形県の米沢盆地周辺で産出される紬織物のことをいいます。琉球紬に似ているので、「米沢琉球紬」を略して米琉(よねりゅう)と言われています。長井町辺りの長井紬や置賜紬(おきたまつむぎ)と言われることもあり、紅花染なども非常に有名です。

 

小千谷紬

世界最高峰の夏素材と言われ、千年以上前から生産されていた記録があります。通気性に優れた麻織物で「湯もみ」によって生まれるシボが特徴です。そのシボによりさっぱりと肌に爽やかな着心地が生まれます。
 
この他に全国にはさまざまな紬と言われる織物があり、その風合いは着物ファンならずとも手に触れるだけで温かみを感じる物ばかりです。ただ残念な事に後継者問題が大きく立ちはだかり産地によっては危機的状態も見受けられます。温もりを感じる紬のお着物にぜひ触れてみてください。

 

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