vol.15 黒留袖と色留袖

黒留袖と色留袖について

 

黒留袖 ( くろとめそで )   

既婚女性の慶事の第一礼装

 

黒留袖は、黒地のきものの背中心、両胸、両外袖に、染め抜き 日向(ひなた) 五ツ紋を付けた絵羽裾模様(えばすそもよう)  のきものです。

19世紀初めより既婚女性の式服とする習慣が広まり、現代では既婚女性の慶事の第一礼装となりました。

 

Q:誰がいつ着るの?

A:結婚式などに主席する新郎新婦の母親、仲人夫人、親戚の既婚女性。

 

Q:生地と仕立て方の特徴は?

A:主に一越 縮緬 (ひとこしちりめん) が使われ、共八 掛(ともはっかけ) が付いています。本来は喜びを重ねる意味から白羽二重(しろはぶたえ) のきもの(下着)を重ねて着ましたが、それを簡略化し、現代では 比翼(ひよく) 仕立てが主流に。文様は、染めや箔、刺繍などを用いた 吉祥文様(きっしょうもんよう) や有職文様(ゆうそくもんよう) など、格の高い柄が好まれます。

 

家紋

家の由緒を表すもの。黒留袖には、最上格の染め抜き日向五つ紋が決まり。

 

絵羽裾模様

模様は裾だけにあり、 縫い目で模様が途切れない 絵羽模様になっているのが特徴。

 

一越縮緬

白生地の代表。生地の表面にある「しぼ」(凹凸のある織り方)が特徴。 しぼは小さく緯糸。

 

共八掛

表地と同じ生地がついている、裏地の裾部分のこと。

 

比翼仕立て

表地に先の部分(衿・袖口・振り・裾・衿下部分の衽)だけに別布をつけ、2枚重ねたように見せる 仕立て方、およびそのように仕立てられたもののこと。

 

羽二重

経糸、緯糸ともに撚りをかけない生糸を用いた生地。滑らかで上品な光沢が魅力。

 

 

色留袖 ( いろとめそで )   

未婚女性も着用できる第一礼装

 

色留袖は、黒以外の色地の裾模様で、未婚女性も着られるお祝いの第一礼装。五つ紋のほか、三つ紋、一つ紋があり、紋の数で格が違います。

 

Q:応用範囲は?

A:五つ紋を付ければ、黒留袖と同格に。 結婚式や披露宴で、新郎新婦の姉妹で未婚女性や、祖母やおばに当たる人に最適。 主賓や来賓の女性なら、もっとも礼を尽くした装いです。 三つ紋や一つ紋は準礼装になり、結婚披露宴だけの主席、格式ある茶会やパーティなどにも向きます。

 

Q:仕立て方と文様は?

A:五つ紋の場合、黒留袖と同様に 比翼 仕立て ひよくじたて に。一つ紋は比翼を付けずに仕立て、 白か、きものと同系色の伊達衿でお洒落を楽しみます。 文様は、格式あるもの以外に、優美な柄が好まれることも。 着用範囲が広いので、よく着るシーンを想定し、文様や紋の数を決めましょう。

 

 

 

紋の数で変わる格

五ツ紋:黒留袖と同格の第一礼装。未婚、既婚問わず着用

三ツ紋:親族以外の知人の結婚式、または正式な慶びの式典に列席する場合。

一ツ紋:訪問着よりもややフォーマルな準礼装。格式ある茶会やパーティー向き。

 

五ツ紋の場合

五ツ紋付きの色留袖のコーディネートは黒留袖に準じて、仕立ても必ず比翼仕立てにする。

 

絵羽裾文様

上記記載と同じ

 

伊達衿

着物の二枚重ねを略し、衿の見える部分だけを2枚に見えるように用いいる衿。重ね衿・比翼えりとも呼ぶ。白・色・柄物を用途に応じて使い分けて。

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