vol.46 国宝と着物

国宝と着物

 

日本における国宝とは特に戦後に制度化され、文化財保護法と言われる法律のもと、主に建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、考古資料、歴史資料などの有形文化財と演劇、音楽、工芸技術などの無形文化財とに大別されています。その中で最も重要なものを重要無形文化財に指定されます。


着物は無形文化財に指定されたものが多く、重要無形文化財の保持者または保持団体を認定、個人を各個別に認定する「各個認定」を受けた重要無形文化財保持者を通称として人間国宝と呼ばれています。

今回は染織の世界での人間国宝の方々や保持団体をご紹介します。

 

人間国宝(重要無形文化財保持者)
数ある国宝部門の中の工芸技術《 陶芸、染織、漆芸、金工、金工、刀剣、人形、木竹工、諸工芸、和紙 》の中の染織の部門 その中でまさに着物の伝統技術ごとに人間国宝は存在します。

 

江戸小紋 -[小宮康助]
長板中形 - [松原定吉]、[清水幸太郎]
友禅 -[田畑喜八]、[木村雨山]、[中村勝馬]、[上野為二]、[森口華弘(かこう)]、[山田貢(みつぎ)]、[羽田登喜男]、[田島比呂子]、[森口邦彦]、[ニ塚長生]
友禅楊子糊(ようじのり)- [山田栄一]
正藍染 - [千葉あやの]
型絵染 - [芹沢銈介]、[稲垣稔次郎]、[鎌倉芳太郎]
羅 - [喜多川平朗]、[北村武資]
仙台平(せんだいひら)- [甲田栄祐]、[甲田綏郎]
唐組 - [深見重助]
有職織物 - [喜多川平朗]、[喜多川俵二]
博多織|献上博多織 - [小川善三郎]、[小川規三郎]
紬縞織・絣織 - [宗廣力三]、[佐々木苑子]
紬織 - [志村ふくみ]、[佐々木苑子]
佐賀錦 - [古賀フミ]
紅型(びんがた) - [玉那覇有公(たまなは ゆうこう)]
綴織 - [細見華岳]
刺繍 - [福田喜重]
首里の織物 - [宮平初子]
読谷山花織(ゆんたんざはなうぃ)- [与那嶺貞]
芭蕉布 -[平良敏子]
経錦(たてにしき)-[北村武資]
木版摺更紗(もくはんずりさらさ)-[鈴田滋人]
紋紗(もんしゃ)- [土屋順紀]

 

国宝の先生の中でも友禅などは作家名が表に出やすく有名な先生もおられますが、ほぼ表舞台に立たず製作に人生を捧げた先生も数多くおられます。現役の先生もまだまだおられますが、多くの方はもうこの世にはおられず、作品自体が非常に高騰し手に入らない物が殆どです、名前だけが一人歩きしている事もありますが、その作品はまさに国宝にふさわしい傑作ばかりです。

 

国宝(重要無形文化財認定保持団体)
工芸技術分野において、工芸技術の性格上個人的特色が薄く、かつ、当該工芸技術を保持する者が多数いる場合において、これらの者が主たる構成員となっている団体として認定されているものです。

 

伊勢型紙 - 「伊勢型紙技術保存会」

江戸小紋の通称となる着物、その柄の型紙となるのが伊勢型紙型です。彫りの技術自体においても人間国宝が6人もおられ、その型紙を染める人間国宝として上記の小宮康助さん他数名が選ばれています。

喜如嘉の芭蕉布 - 「喜如嘉の芭蕉布保存会」

沖縄県大宜味村喜如嘉の芭蕉布のバショウ科の多年草イトバショウから採取した繊維を使って織られた布、一反の芭蕉布を織るために必要な芭蕉は200本といわれる。

久米島紬 -「久米島紬保持団体」
久米島紬は、久米島(沖縄県島尻郡久米島町)で織られる紬、沖縄の織物の素材で芭蕉・芋麻・木綿・絹がありますが、絹織物は首里を除くほとんどが、久米島で織られていました。

久留米絣- 「重要無形文化財久留米絣技術保持者会」
福岡県久留米市および周辺の旧久留米藩地域で製造されている。絣綿織物で、藍染めが主体。

宮古上布 - 「宮古上布保持団体」
沖縄県宮古島で生産される上布と呼ばれる麻織物の一種である一反織るのに2ヶ月以上かかる上布の最高級品。

小千谷縮・越後上布 - 「越後上布・小千谷縮布技術保存協会」
新潟県小千谷市周辺を生産地とする麻織物と南魚沼市を生産地とする越後上布。

結城紬 - 「本場結城紬技術保持会」 茨城県・栃木県を主な生産の場とする絹織物 <豊彩だよりVol,6参照>

 

今回の"国宝と着物”を通して日本の素晴らしい技術と伝統があることに触れ、後継者不足に悩む上記の伝統産業が後世に伝わる為にも、我々は少しでも理解と協力が至急の課題と痛感しています。機会があればぜひ国宝作品に触れて見て下さい。 

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